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2011年8月 2日 (火)

京都市立の小学校と平安京坊名

 京都市内をカメラ散歩していると、しばしば小学校やその閉校跡に行き当たります。
 それで、京都市立小学校についてチョット調べてみました。
 京都市では、1872(明治5年)の学制公布に先だち、既に1867(明治2年)日本で最初となる学区制小学校の「番組小学校」64校を開校させている。その後、市域の拡大と人口増加に伴って小学校の数も増えていった。
 京都市の児童数は、1958年度(昭和33年)の154,815人から、50年後の2009年度(平成21年)には67,380人へと、ピーク時の約43%に減少している。ただし、学校数はその後も1991年度(平成3年)まで増加し続けたあと減少に転じた。
 このような児童数減少により統合や閉校が進み、2010(平成22年)5月1日現在で179校・分校3になっているようです。

 ところで、数ある京都市立小学校のうち、淳風・教業・陶化・崇仁・光徳の5校は、その名称を平安京の各坊につけられた坊の名称を由来としている
 平安京は条坊制というシステムでブロック毎に区切られていた。
 平安京造営当初の頃は、左京四坊などと数字で呼ばれ、名前は付いていなかった。その後、桓武天皇の皇子で平安朝初期に即位した嵯峨天皇が、政治・文化の全てに唐風色を強め、それを平安京の制度にも及ぼした。こうして、左京・右京の計20の坊に、北辺坊・桃花坊・銅駝坊などと中国風の名前がつけられた。
 このように、平安時代に命名された中国風の坊名が、遥か後代の明治以降になって小学校の設立に際し、校名として復活したのである。(校歌歌詞に坊名を入れている学校もある)

淳風小学校・・・1869(明治2)年7月6日開校、今年で142年の歴史をもつ。
 校歌の一節「千年ここに伝え来た 淳風の名にふさわしく」(淳風は我が母校です)
 ついでに調べたところ、「淳風坊」は、平安京の左京に位置し、東西は一坊〜四坊(今の寺町から千本)、南北は五条大路〜六条大路(今の松原から六条)を範囲とする坊。

教業小学校・・・1869(明治2)年10月26日開校、1992年(平成4年)乾小学校と統合して京都市立洛中小学校となり、123年の歴史を閉じた。現在は中京区社会福祉協議会が入っている。
 校歌の一節「平安京のまん中に えのの名を負うて」
 写真の日時計は姉小路に面した校庭にある。指し示す時刻=影は矢張り季節により少々ズレるようです(撮影データを見ると、冬季の2月27日午前10時16分に撮っていました)

Photo 
陶化小学校・・・1872(明治5)年6月24日開校、139年の歴史をもつ。
 しかし、来年の2012(平成24年)から陶化・東和・山王の3小学校と陶化中学校が統合され、南区の小中一貫校として新たに発足する。
 話を伺うと、特定の一校の名称を存続させないとの方針のため、由緒ある「陶化」の名称は消えてしまい、「凌風」という名称になるそうです。合併にあたって難しい事情が絡むのは、他の合併校も同様のようです。

 校庭に保存されている石敢當と車石
 石敢當については前回記事でも触れたように、中国伝来の魔除けです。この石敢當は、銭取橋(今の勧進橋)たもとに絹問屋が夜に通行する人の安全を守るため建てたもの。それが、明治41年に陶化小学校に移設されたそうです。
 車石は、むかし竹田街道に牛車道を設けたとき、運行を容易にするために二列の石を並べ敷いたもの。
 これは敷石の一片で、擦り減った轍が見える。

Photo_20200712144201

Photo_3

崇仁小学校・・・1875(明治8)年開校、2010年(平成22)に崇仁・六条院・植柳の三校が統合して京都市立下京渉成小学校となり、135年の歴史を閉じた。

光徳小学校・・・1925(大正14)年11月16日開校、86年と歴史は短い。校歌の一節に「歴史ゆかしい光徳坊」とある。

 ところで、
 次の写真は、坊名と関わりはないが、旧・春日小学校(1995年統合により京都市立御所南小学校となる)の旧校地内にありました。現在は春日デイケアセンターになっているようです。
 二宮金次郎像は現在もあちこちに残っており時々見かけます。最近では、この記事中の陶化小学校の他に、流れ橋(八幡市)のそばにある四季彩館の裏手でも見かけました。

Photo_2
 なお、旧・開智小学校が今は京都市学校歴史博物館となっており、番組小学校資料、教科書や教材・教具などを収集・保存して展示しており、興味深く観覧できる。(200円) 



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