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2015年1月 9日 (金)

空・光・水・風  その5

 どういうわけなのか、新年早々に二日連続で積雪を見ました。京都では珍しいことでした。
 雪に覆われて色味の変化に乏しいモノトーンの風景もなかなか良いものです。

嵐 山

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竹林の道

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落柿舎

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後宇多天皇陵(北嵯峨)

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 いうまでもなく、雪というのは雨、霰(あられ)、雹(ひょう)、霙(みぞれ)などとともに、降水現象の一つです。
 雪の結晶をルーペで見ると、その形は数限りなくあって、見飽きることがありません。

斑雪(はだらゆき)
  大沢池畔

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 鈴木牧之(すずきぼくし)の『北越雪譜』に「されば人の肉眼を以て雪を見れば一片の鵞毛(がもう)のごとくなれども、数十百片の雪花(ゆき)を併合(よせあは)せて一片の鵞毛を為すなり。これを顕微鏡(むしめがね)に照し視れば、天造の細工したる雪の形状(かたち)奇々妙々なる事下に図するがごとし。その形の斉(ひと)しからざるは、かの冷際に於て雪となる時冷際の機運ひとしからざるゆゑ、雪の形気に応じて同じからざるざるなり。」と記し、土井利位(どいとしつら)の『雪華図説』から雪花図を引用しています。

Dscn2657_01

 

Dscn2659_01

 雪には「六花」という異称があり、確かに六弁の花に見えます。これは水の分子が結合してできるため、上空の大気の温度と水蒸気の量により、一つとして同じ形の結晶はありません。まさに自然が作る造形作品と云えます。

【注記】
 鈴木牧之 明和7年(1770)〜天保13年(1842):越後国魚沼郡塩沢の人で商人(越後縮)・文人。『北越雪譜』は、世界有数の豪雪地帯である北越の、自然・産業・習俗・行事・遊び・芸能・伝承などに関する民俗資料となっている。
 土井利位 寛政元年(1789)〜嘉永元年(1848):下総古川藩藩主で江戸幕府の老中首座をつとめた。20年にわたり雪の結晶を顕微鏡で観察し、雪の結晶を「雪華」と名付けて『雪華図説』『続雪華図説』にまとめて出版、「雪の殿様」と云われた。



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