駄菓子屋(一文菓子屋)
昔は、子供達が路地から路地へと駆け回る猥雑な町並みの中に、駄菓子と玩具類を狭い店頭に並べて、子供相手の商売をしている駄菓子屋(一文菓子屋とも言う)があちこちにありました。
昭和30年代の東京下町を舞台とした映画、「ALWAYS 三町目の夕日 ‘64」にも駄菓子屋のシーンがあり、吉岡秀隆が駄菓子屋茶川商店の店主茶川竜之介を演じていました。
駄菓子「船はしや」の店頭・店内風景
今では駄菓子屋を見かけることも殆ど無くなってしまい、この「船はしや」(寺町通綾小路下ル西側)以外には知りません。
五色豆の「船はしや総本店」(寺町二条)から昭和13年(1938)から分家して開業したとのこと。
船はしや総本店の看板
ところで、話は変わります。
かつて、子供達が喜びそうな小さなオモチャを「おまけ」としてつけたキャラメルがありました。(グリコ、カバヤなど)
おまけつきグリコは今でも販売されています。
グリコと云えば、あのキャッチコピー「一粒300メートル」は、誰もが知っている名コピーです。
また、キャラメルの外箱にはこのコピーとともに、「美味栄養菓子」あるいは「文化的栄養菓子」と入っていたのですが、現在では「ひとつぶ300メートル」「おいしくてつよくなる」になっています。
ちなみに、森永キャラメルは「滋養豊富」「風味絶佳」です。
今のグリコキャラメル
コピー「一粒300メートル」は、川柳結社「番傘」の主宰者であるとともに、コピーライターでもあった岸本水府(昭和40年没)という人の昭和11年(1936)の作でした。
広告人としては、福助足袋・グリコ(現江崎グリコ)・壽屋(現サントリー)などで広告の仕事をしたようで、グリコでは広告部長を務めたそうです。
最後に、岸本水府の川柳で私の好きなものを挙げておきましょう。
酔っぱらい真理を一ついってのけ
四十年かかって酒は毒と知る
旅で見る酒という字の憎からず
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