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2023年8月

2023年8月25日 (金)

喫茶店いろいろ 3 ー名曲喫茶ー

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 小洒落た喫茶店で、クラシックやジャズが会話や読書の邪魔をしない程度に、うるさ過ぎず低過ぎず快い音色と音量で流れている。そんな店でコーヒーが美味いとなるとこれはもう嬉しくなります。


 昔は「名曲喫茶」というのがあちこちにありました。
 ちょっとしたコンサートホールのような音響で優れた楽曲を聴かせるのですが、ルールとマナーの厳しい店が多く、クラシックだのバロック・古典派・ロマン派などと聞くだけで腰が引けてしまう人種にとっては、「名曲喫茶」というのは敷居が高く店に入るのに勇気が必要でした。

 今ではすっかり珍しくなってしまった名曲喫茶は、「私語厳禁」でひたすら音楽に向き合わなければならない堅苦しく、偏屈で暗いイメージの空間でした。もちろん、そんな厳しい音楽鑑賞のルールを定めた店ばかりではなく、オーナーの考え方次第で緩やかなルールの店もありました。
 そうした店のオーナーの多くは自身がクラシック音楽好きであり、音響システムに凝っていてオーディオ機器は真空管アンプやスピーカーのコーンを手作りしているという店も珍しくなかったのです。そして、曲調によってスピーカーを使い分けるという徹底ぶりでした。

 現在では、音源はコンパクトディスク(CD)が普通で、音楽をデジタル化して記録したディスクをCDプレーヤーでレーザー光を使って読み出し再生しています。
 しかし、1980年代の初めくらいまでは音を記録したレコード盤から、レコードプレーヤーで音の信号を取り出していました。その頃はレコードプレーヤーのターンテーブルに乗せたLPレコードが微かにパチパチと独特のノイズを発するのも、それはそれで何かチョット良いものでした。

 ところで、昔ながらの厳しいルールやマナーを今も貫いている店、名曲喫茶「柳月堂」が叡山電車出町柳駅のすぐそばにあります。
 チャージ料を支払ってリスニングルームに入室。音楽鑑賞の妨げとなるため「私語厳禁」を初めとして、物音を発生させるような行為は一切を禁じるというルールになっています。
 音楽に耳を傾けることに没頭する場所と時間であれば、耳障りで余計な雑音を発することは許されないというのも、あながち偏屈なルールだとは言えません。  
 また、静粛を保つため声を発することはできないので、曲や飲み物のリクエストはオーダー用の五線紙ノートに記入するのです。
 ミニステージのセンターにはピアノが据えられ、その両側に大きくて立派なスピーカーが設置されています。そのステージに向かってソファーの座席が設けられていて、ちょっとした小さなコンサートホールのようです。




2023年8月11日 (金)

喫茶店いろいろ 2 ージャズ喫茶ー

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ジャズ喫茶「ろくでなし」の出入り口
 ドアーに雑然と貼られたフライヤー、ちょっと気圧されそうな雰囲気ですね。
 この店は、京都でジャズ喫茶の草分け「しゃんくれーる」が閉店する10年前に開店したそうなので、店の歴史はかれこれ40有余年になるようです。

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 トップの写真とは打って変わりますが・・・。
 かつて、京都のジャズ喫茶の草分けとされる「しゃんくれーる」 Champ Clair という店がありました。(1956年のオープンで1990年に閉店)
 当時、巷間言われた「思案に暮れる」が店名の謂われというのは俗説とのこと。
 河原町通荒神口の北東角にあって外壁は煉瓦色のタイルを貼った建物でした。1階はBGMにクラシックのレコードを流し、2階はモダンジャズをレコード演奏していました。
 この「しゃんくれ」の跡地、今ではコインパーキングになっています。

 1960年代には、モダンジャズの大物ミュージシャンが次々と来日していました。
 彼らが京都で公演をするときは、「しゃんくれ」の女性オーナーがアテンドをしていて、舞台にも上がって花束を贈呈していました。
 その頃、京都会館第1ホール(今のロームシアター京都メインホール)でおこなわれたモダンジャズのプレーヤー達の公演をよく聴きに行ったのを思い出します。
 マイルス・デイビス(tp)、キャノンボール・アダレイ(as)、チャーリー・パーカー(as)、ソニー・ロリンズ(ts)、セロニアス・モンク(p)、ホレス・シルバー(p)、アート・ブレイキー(ds)、マックス・ローチ(ds)、モダン・ジャズ・カルテット(combo)などでした。

 また、ニューヨーク在住の日本人ジャズピアニストで作曲家、穐吉敏子(秋吉敏子)が京都公演をおこなったときも行きました。彼女は、1999年に日本人でただ一人「国際ジャズ名誉の殿堂」入りを果たし、2007年にはジャズ界では最高の栄誉とされるアメリカ国立芸術基金の「NEAジャズ・マスター賞」を受賞しています。

 ところで、モダンジャズの歴史、これはチョット手に負えないくらい大きくて難しいテーマなのですが、無手っ法ながら大まかに眺めてみたいと思います。(細かい説明は抜きです)
 モダンジャズは、スイングジャズが衰退した1940年代初め頃に生まれたビ・バップに始まって、40年代末辺りからのクールジャズ、50年代のハードバップにファンキー(ソウル)、60年代はモードジャズがモダンジャズの主流となり、70年代になるとジャズを基調としつつロックやラテン音楽、クラシックなどのとのフュージョン(融合)へと変遷しています。




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